[コメント] トイレの花子さん(1995/日)
噂の伝播とそれに伴う不安の増大をうまく描いている。階段の踊り場を覗き込む子供たちなどはそれを端的に表していて、恐怖表現としても秀逸。また、井上孝幸と河野由佳との黒板での筆談も、書くという能動的かつ目に見える行為があるからこそ感動的だ。
廊下の奥から手前、手前から奥へと人物の移動を割らずに撮るところも好感が持てる。映写機の光に照らされた、伝言を受け渡す児童たちの手。クライマックスの光と物量。編集と画面をおろそかにせず、映画の魅力を味わわせてくれる。
犯人役はもう少し非人間的、或は「幽霊」として描いてくれればなお良かったが、ここまで健闘してくれれば満足である。
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