[コメント] 最も危険な遊戯(1978/日)
70年代を駆け抜けた松田優作の魅力がここにあります。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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松田優作主演による遊戯シリーズの第1作。腕は確かなプロフェッショナルながら、助平で任務以外についてはどこかすっとぼけた性格を持つ主人公の姿はまるで「太陽にほえろ」のジーパン刑事を思い起こさせるが、テレビよりも遥かに活き活きと、しかしどこかとぼけた主人公を松田優作が実に上手く演じている…ひょっとしてこれが素?と思わせてくれるほどで、少なくともキャラクタを魅力的に撮影するという意味においては邦画における屈指の作品であろう。
こういったプロフェッショナルはもっとストイックで洗練された人物を思わせるのだが、それは80年代の価値観で、むしろ70年代の人物像はこういった人間味溢れる人物を描くことの方が多く、実際今の目から見ると、かえって新鮮味溢れている。改めて松田優作は格好いい人だと再認識。
ただ、問題はそれ以外が本当にどーしようもない物語だという点なのだが。
ストーリーは変転が激しく、訳が分からないカオス状態になってるし、演出面もとにかくしょぼい。鳴海が持つ拳銃はマグナムなのに、まるで豆鉄砲のようなぱちんという音しか出さないし、アクションも大雑把。全般的に観ても本当に苦笑もの。まあ、この大雑把さが受け入れられたからこそ、Vシネマなる亜流が後に乱発されることになるし、それが邦画のパワーを支え続けた訳だが…
少なくとも、松田優作の魅力を再確認するためには是非観て欲しい作品ではある。
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