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[コメント] 金田一耕助の冒険(1979/日)

すべての金田一ものの中でこれが一番好きだ。なぜって金田一愛、横溝愛に満ちているから。
代参の男

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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コメディだと思ってこの映画を見ると評価は最低だろうが、パロディとエンターテイメントとして見ると、この映画ほど金田一耕助と横溝正史への「愛」に満ちた映画は無い。

パロディ物は大まじめにやればやるほど味が出ると思う。類似物では007のカジノロワイヤル(デビットニーブンのやつ)があって、こちらも私的には大好きなのだが、とにかくこの映画は金田一耕助と角川映画全体を大まじめにちゃかしている。ついでに70年代のテレビも題材にぶった切っている。(刑事は夕日を見れば吠えなければいけません!!) 出演している多数の役者もそれぞれ楽しんで演じているのが嬉しい。三船敏郎と三橋達也なんて出てきただけでギャグでしょ。あと、岸田森と草野大悟の正しい使い方。とくに草野大悟は最高である! また、坂上二郎の怪しげな雰囲気や、熊谷美由紀のキュートなこと。センチメンタルシティロマンスの主題歌も良い。

最後の金田一の独白が横溝ワールドのすべてを語っていて悲しいが、これから先も金田一耕助はおどろおどろしい日本の因習と怨念に満ちたワールドの中を漂流していくのだろう。

テレビ放映版(70年代の)古谷金田一シリーズは面白かった。映画版では石坂金田一と市川崑により横溝ワールドが定番化した嫌いがあるが、古谷金田一は私の中では理想の金田一である。

笑えん、くだらんという前に、とにかく楽しんでいただきたい映画。

(評価:★4)

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