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[コメント] ハスラー(1961/米)

自己実現の欲求と愛への帰属意識のせめぎ合い。時代も国も超えて、野心に囚われた男の最大のテーゼである。
田邉 晴彦

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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「男の仕事に女が口出しするんじゃねい!」という時代的なマチズモと、世界最大の超大国に成りあがった米国の先行き不安な精神状態が反映されて、ニューシネマでもクラシックでもない、何ともグレーな作風に仕上がっている本作。

ポール・ニューマンがミネソタ・ファッツに敗れてグダグダ街を徘徊するシークエンスが異常に退屈すぎる以外は、気のきいた台詞と魅力的なキャラクター(特に、ジャッキー・グリーソンの功績は大きいよね!)が、軽快なビリヤード対決シーンと相まってテンポよく展開していく。重いストーリーとカタルシスのないラストにも関わらず、時代を超えて人気を博している一因であろう。

「敗者は敗北の口実をいつも探している。そしてその後悔の美酒に酔いしれているだけ」みたいな台詞…。いやー、しみるよねー。後悔だらけの29歳akaもうすぐ三十路です。

それにしても、人類史上稀にみる「かっこいいデブ」ミネソタ・ファッツよ。あれだけの紳士で節操もありそうだし、36時間戦える耐久力を備えているだけに、何故デブなのか腑に落ちない。あれだけの巨額のハスリング…ストレスで激痩せですよフツー。

(評価:★3)

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