[コメント] 始皇帝暗殺(1998/日=仏=中国)
背丈の数倍はある入り口の扉。浮き上がってくる橋。巨大という言葉でも足りないほどの大階段。目で見る中華四千年のスケールに、うれしいほどに圧倒された。
始皇帝にまつわる数多くのエピソードの中の幾つかを、かなりうまくまとめて、なおかつ天下統一にいたる一つの過程を上手に一本の映画にしている。
古代中国の春秋戦国時代は、様々なドラマの宝庫であり、多くの英雄伝を生み出しているが、興味深いのは、数百年にわたる争乱の時代においては様々な国の興亡があり、末期にはそれらが「戦国七雄」と呼ばれた七つの国に収斂されていく。
その中にあって「楚」と「斉」は歴史も古く時に栄華を誇り時に凋落したりしている。ところがこの二国と並ぶ歴史の古さをもつ「秦」だが、スタート時は、大陸奥地の未開国のように見られていた。
そういう「秦」が数代にわたる国づくりの結果、他の国々を凌駕する国力を備え天下統一を達成するのだが、その過程で「秦」と他の国々との違いが目立つようになる。始皇帝の登場もそういう流れの中で見ると、中国の歴史の奥深さがいっそう面白くなると思います。
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