コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ハーフ・ア・チャンス(1998/仏)

惹かれたのは、そのありがちなストーリーよりも、3人のキャラクター。(アラン・ドロンとJ・P・ベルモンドとバネッサ・パラディ)実際にこんなことあるわけないのにね。
琥珀

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「A・ドロン、J・P・ベルモンド、夢の共演」と、一時大いに騒がれた映画です。

母の遺言テープには、自分の出生の秘密が録音されていた。 20年前、同時に2人の男性(これがアラン・ドロンとJ・P・ベルモンド)を 好きになり、おまえはどちらの子なのか分からない。 だけども、本当に2人の男性のことを愛していたのだ、という内容。 美しく成長した娘は、本当の父親を見極めるべく、2人の男性に会いに行く。 すっかり意気投合してしまった3人に、ある事件が降りかかる。

惹かれたのは、そのありがちなストーリーよりも、3人のキャラクター。 成功し、財を成した2人のひょうきん親父と自動車泥棒の前科がある娘。 (その手癖の悪さが、自ら犯罪を招いてしまうのだが) 美しく、気が強く、それでいて情にも脆いじゃじゃ馬娘のことを 「自分こそが本当の父親なんだ」と、張り合う2人の初老の男性は実にコミカル だった。実際にこんなこと、あるわけないのにね。

往年の2人のファンには、堪らない映画なんでしょう。 各シーンやセリフが、過去の映画のパロディになっていることが分る。ヘリコプ ターから、吊り下げられたはしごによじ登り「これで最後だからな」なんて セリフを吐くJ・P・ベルモンドに、元映画を知っている人はゲラゲラ笑ってしまう んでしょうね。それはそれで、知らなくてもおかしかったりする。

監督がパトリス・ルコントと聞き、ちょっと首を傾げたけど、多分頼まれて作った のかな。脚本だけもらって撮った映画、雇われ監督、やっつけ仕事かな、そん な感じを受ける。今までの映画とは、かなりカラーが違うもの。 無難に誰もが楽しめる映画に仕立てているところは、さすが職人技。

ハッピーエンドが分っていて辟易する映画と、分っていてもその結末を 早く見たいと、心待ちする映画があります。もちろんこの映画は後者。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。