[コメント] ロッキー5 最後のドラマ(1990/米)
リアリティって言葉の意味を考えずにはいられなかった。感情移入できなかった。
リアリティとは、科学考証とか時代考証とかいうような、どれだけ現実に基づいているかということではない。フィクションをフィクションと感じさせないこと、それがリアリティだ。だからファンタジーのような世界設定からして現実離れした物語にもリアリティを感じることがある。
「3」「4」とシリーズが進むにつれて、ロッキーの周辺では人が死んでいく。それも決まったように映画の中盤に。
どうしてこうも簡単にキャラクターを殺せるのか。スタローンにとって死は映画を盛り上げる道具でしかないのか。
そして「5」ではロッキーは破産した。全力を尽くしてチャンピオンになった財産は、瞬く間に消えてしまった。
どうしても「3」「4」で人が死んだのと重ねて考えずにはいられなかった。「3」「4」を見たときから違和感を覚えていたが、もう我慢できなかった。シリーズを重ねて築いてきた設定(露骨に言ってしまえば金持ちになったということ)をあっさりと壊せるのか。
確かに現実に起こりうることではあるし、ロッキーの素晴らしさはその情熱であり、 富や名誉なんてものは二の次ではある。しかし「これは観客を感動させるためにつくられた脚本なのだ。」ということを意識せずにはいられなかった。リアリティはここで壊れる。財産を失って、さあこれからどうするか、ということが物語の出発点なのだから、それが受け入れられなければ、その後も全然感情移入できなかった。
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