自転車に乗って女のためにおどける無法者。早撃ちは得意だが全く泳げないアウトロー。人を撃ったことがないガンマン。いずれも「西部劇」というアメリカシネマ伝統のスタイルの中では描かれることのない血の通ったキャラクター像をであり、まさしく「ニューシネマ」と呼ばれるジャンル映画たる名作。

自転車を乗り捨て、女も追っ払い、ただひたすらホモソーシャルな「明日」へと突っ走るブッチとサンダンス。そのストップモーションに熱いものがこみ上げるのは、きっと俺も男だからだ。