[コメント] 日の名残り(1993/英=米)
まさかこれだけで映画終わりじゃないだろうと眺めていたらなんと終わった。ここまで地味なのはなかなか記憶になく、徹底していて素晴らしいのではないだろうか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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エマ・トンプソンは好意を花で示していたのだが、アンソニー・ホプキンスは反応しなかった、ということでいいのだろう。恋愛小説読んでいるけど、それは別にエマへの愛情じゃないし。だからこれはエマの失恋の映画だ。
しかしまあ、執事の装った鈍感さってのは、秘書とか黒子とか、官僚によくあるタイプで、「人はみな人生に悔いがあります」などとホプキンスに総括させているけど、そういうの見越して人生設計している連中なんだろう。序盤の父の死を看取らない選択など図式的に流れた。『東京物語』の原節子に「わたしって狡いんです」という名科白があるが、つまりそういうものだと思う。自戒も込めて鑑賞させていただいた。
話は全然知らずに観て、中途でナチ協力者の話になった驚きがあったが、ここで何か穿った見解がある訳ではない。最後にアメリカ人に使えることにはる変遷は、旧世代には忍従のニュアンスが当然出てくると思うのだが、鳩なんか参入させてやたら明るいのは本当かしらと疑ってしまう。映画のつくりはいかにもイギリス流。『炎のランナー』の頃から何も変わらんものだ。
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