[コメント] おもちゃ(1998/日)
ミゾグチのオマージュに真剣になったスタッフの息遣いが聞こえる傑作。近所のぼったくりバーのマダムにも、このような女の歴史があるに違いない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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巨匠に対抗するにあたって深作が採用したのは東映実録路線の方法論であり、卓袱台ひっくり返す舞妓の乱闘シーン(せっかくだからキャメラを横倒しにしてほしかった)も三谷昇のワンポイント起用も決まっている。やっとこの伝家の宝刀を抜いてくれたかという幸福感で一杯になるのであり、蒲田ナンとかなどこれまでの退屈な作品群はなぜこのように撮られなかったのか誠に残念にもなる。
ユーモアでもって「二号肯定論」を堂々貫き、置屋ものにありがちな湿っぽさを排した意外性は、溝口女性映画のオルタナティブとして見事に成立しており、物語は女の成長に関する普遍性を獲得している。置屋のお婆さんから実家の妹まで、端役が生き生きとしているのも特筆もの。音楽はいつものようにダサいが許す。
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