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[コメント] この森で、天使はバスを降りた(1996/米)

見終わった後、中上健次の鳳仙花を思い出してしまった。 こちらも強くてたくましい母のハナシ・・・。レビューは自立する女性に ついて書いてみました。
Linus

強い女性が増えることはいいことだ。結婚して数年たった友達は、 いつも話す内容が、旦那さまの価値観だってことに気づいていない。 ××さんが、言ってたんだけど…。××ちゃんは良いと言ってた。 考えてみれば、私の母親もそうだった。 お父さんが…、お父さんが…。 アナタノカンガエハドコデスカ? 私は、心の中で、この言葉を反芻する。

いつのまにか、自分の言葉を失った女は、やがて旦那さまに罵倒される。 お前は、バカだ、と。 友達も自分の母親も、旦那さまにどこかバカにされていて、 家事をするだけの召し使いだと思われているようにしか、私には見えない。 離婚する勇気も、金を稼ごうという強い意志もなく、 「専業主婦って、家計の不良債権だよな」と旦那が吐き捨てた台詞を、 黙って受け入れる…。そんなのイヤだぁぁぁぁ〜。

私の尊敬すべき自立した女友達の(彼女は家計を夫と折半しているそーだ) メールに、下記のような内容が書かれていた。

家族のはじまりは何かと考えた時、それは夫婦じゃないかと思う。 他人だから。他人が、お互いを人間として、男と女としてどう見て、 父と母として、どう子供という別人格とつきあうことなんじゃないかと。 なのに、どうしたことか、この日本では女はまず母なの。 結婚すると母なの。母である前に、女で、その前に人間だつーの。 でも、これは、本当はとても厳しいことなんだと思う。 つまり、自分の人生を何にも委ねないで生きて行く。 自分で考える大人になるって、ことだから。 そんなことしない方が、ラクって言えばラクだもんね。

何ものにも委ねない。難しいですね。恋愛でも、結婚でも、 いつのまにか、女は男に依存してしまう。そして、男がいなくなったら、 この先、どーにもこーにも生きていけないんじゃないかつう錯覚すら 覚えます。だから、下手に出て、御機嫌を伺って、いつのまにか 〈自分〉が消えていた。誰にでもアルアルっての話でしょう?

だから、私、この映画の何が嬉しいって、端役かもしれないけど、 旦那にバカにされてた女が、パーシーによって、自分で考える大人に なれたことにエールを送りたくなった。(でもこれって、『ショコラ』 とも通じるテーマですね)

そーいや、某漫画家の秘書をしている女友達は「女を見ればさ、その男の 器量がわかるよね」と言っていた。そうか、やっぱ、イイ女になんねぇと ダメなんだよ。手抜きはしちゃいられねぇんだと、 自立した強い女友達にかなり影響され、日夜、女道に磨きをかけるのでした。(って言っても、くすむ一方なのは気のせいかしら?)

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(追記) 誤解があるといけないので、書いておきますが、私は専業主婦を否定は していません。お友達の専業主婦が「社会から専業主婦が蔑視されてること にガマンならない。私たちは税金を納めていないかもしれないけど、 次世代に納税する子供を、一生懸命育てている」という言葉に、そうだよな と納得させられたし…。それからフェミニストでもありません。 一時、その手の本を読んだこともあるけど、フェミニストの 「私たち女性は、向上心を持つべきだ」という言葉には、懐疑的です。 たぶんフェミニストが、「私は、向上心を持つべきだ」にしたら、 賛同する。なぜなら、自分自身、負けず嫌いだし。でも、旦那さまに 依存したいわぁ〜と言う人もいるのだから、女全般に対し、向上しろと むち打つフェミニズムはいただけないな。ただし、男の人に、罵倒されても ガマンしてる状況なら、ベクトルを変えた方がいいように思います。

(評価:★4)

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