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[コメント] 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988/日)

初作から本作迄の科学考証の検証(妄想も入ってます)
アルシュ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







★ ニュータイプって? ★

そもそもクェスもハサウェイも純粋な”地球っ子”。宇宙生活によって革新していくならまだしも、いつにもまして、モビルスーツへの適応度が高すぎる。アムロもカミーユもジュドーも”コロニーっ子”だからニュータイプ化も納得できるのに・・・。

★ 真空中のウエーブライダー ★

「Zガンダム」から登場した可変型モビルスーツだが、地球上の戦いならいざ知らず、真空中での翼を展開したウエーブライダー型への変形はなんの意味も成さない。

あまつさえ、本作でシャトル上に居たメカニックが、脇を飛んでいくモビルスーツの風圧に飛ばされるのは論外。

★ コロニー落とし ★

一年戦争以前に起きる”コロニー落とし”。あれ、殆ど原形のまま地表に落下してます。宇宙世紀の時代に主流となっているスペースコロニーは、長さ35km、直径6.4kmの円筒形をしているんです。

さて、恐竜を絶滅させて地球に氷河期をもたらしたとされる6500万年前ユカタン半島に落下した隕石は直径10km程度と言われています。

それじゃあ、コロニー一個で十分にシャアの目的を達成できる計算。中が空洞なんだから、あの”コロニー落とし”の描き方次第で納得出来るんだけどなぁ。

★ 汚れた宇宙空間 ★

現在の排人工衛星だって深刻になっているのに、戦争による宇宙ゴミはなお深刻。モビルスーツや戦艦が高速で移動する際に宇宙ゴミに衝突したら、宇宙の藻屑となるのは必至。

★ クェスの真空ダイビング・・・実は理にかなっている。 ★

どうにも真空の甲板上で対談する古代進とデスラー総統しかり、操舵するキャプテン・ハーロックしかり。あれだけの長時間真空内にいると、彼らにはフリーズドライ現象が起きてしまいます。

真空に出ると気圧が低下する(無くなる)事で、血液を含む体内の水分が一挙に沸騰してしまうのです。

しかしこれには2〜3分かかることで、目とクチを塞いで耳を手で閉じ身体を丸めれば、このように極めて短時間(数十秒)は、人間の皮膚は丈夫であり、そのタイムラグによって可能な事らしいです。ちなみに宇宙服無しでのダイビングは『2001年宇宙の旅』のボーマン船長も体験しているし、ナチスも実証したそうだから、理にかなっているシーンなんです。

んが、ことこのクェスはシャアのコクピットにストライクで滑り込めずに、パンパンに膨れあがって血液の沸騰死を期待したいキャラでもあります。

クェス好きな方には申し訳ないけれど、居眠りこいちゃうチェーン・アギの方がなんか愛おしいんです。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)shaw[*] 甘崎庵[*]

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