[コメント] バグズ・ライフ(1998/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ピクサー製のアニメは、アニメという素材を本当によく分かっていると思っている。物語はシンプルにしてストレート。しかし、その広がりは子供向きを越えて、どんな人も楽しめるように、そして何かしら心に残せるようにと、丁寧な作り方をしている。一つ一つの作品は結構奥が深い。その中で本作は比較的私にとっては評価は低い方の作品とはいえ、凡百のCGアニメ作品などは到底作り得ないような質を見せつけている。
作りそのものは大変ベタなもので、無力な村の住民が用心棒を雇うという形式は七人の侍(1954)を彷彿とさせる(むしろ出来としては荒野の七人(1960)かサボテン・ブラザーズ(1986)の方に似ているが)。しかし、その肝心な助っ人が実は無力であることを知ってしまい、それに押されるように最後は村の住民の方が立ち上がる。その根性に押され、助っ人の方も自分たちの特技を活かして参戦。と言う展開はベタと言えばあまりにもベタ。とはいえ、そのベタさ加減が絶妙の間を作り出しているのが本作の醍醐味と言う奴だ。
ただ、その元ネタが良かった分、その思いにとらわれてしまったため、私は完全にははまりきれなかったのと、擬人化の度合いがちょっと激しすぎて、なんでバッタがそんなに強いの?とか、サーカス団の蜘蛛は餌となる昆虫に囲まれていながら一体何を食べてるんだろう?とか考えてしまうと、やっぱりちょっと気分的に引いてしまった。
出来そのものは充分で、これは私自身の感性の問題に過ぎないけど。
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