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[コメント] 薄れゆく記憶のなかで(1992/日)

伏線を張ってあるのはストーリーだけじゃない!一字たりとも見逃せない!
忠節橋

 岐阜の持つ美しい自然を背景に高校生の初恋を描く。篠田和幸監督が5年間温めていた自らのシナリオをもとに撮り上げた第1回作品。

 ストーリーの構成は高校生の恋愛(初恋)をベースにしていますが、前半部を伏線として、後半部が辛くなるくらいに劇的に展開し、「そういえば、こんな想いにひたったことがあったなぁ。そんな気がする。」こんな感情を抱かせてくれます。とにかく、やり場の無い悲しみ、切なさ、将来への不安、もがき、を実にみずみずしく描いています。

 伏線はストーリーだけではなく、役名にも置いてあります。「琴澄 香織と鷲見 和彦」=「琴座の織女星と鷲座の彦星」 そして、旧暦の七夕に行われる星祭り。全ては、「長良川」=「天の川」を挟んで時間が流れます。そしてこれらが暗示するものは・・・。

 撮影監督の高間賢治さんの手によるオール岐阜ロケの映像は、まるで切り取ってきたような自然の情景が素晴らしく、さらに、音楽監督の辻陽さんによる泣きの音楽も最高にマッチしています。

(評価:★5)

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