[コメント] 斬る(1962/日)
かつての私が持っていた時代劇のイメージがまさにこれ。この頃からの時代劇が苦手なのかも知れないとボーダーラインを引くつもりで制作年を見たら『椿三十郎』と同じ年!!ビックリしました。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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なんという紋切り型!なんというご都合主義の展開!こういう時代劇って映画が斜陽をむかえ、テレビ主流の量産時代に流行った時代劇の展開だと思っていたんだけど、この頃からすでにあったのか…!とにかく主人公の目的意思が全く伝わって来ず、主人公をかっこよくする為だけに人が斬られ、人が死ぬ。もうそんな感じ。そもそも雷蔵もそんなにかっこよくなかったぞ!
確かに斬新なカメラワークやこだわりを感じる様式美など、面白い映像は随所に見られましたが、そういう部分に惚れ惚れするのはやはりストーリーに深みがあってこそだと思いました(やっぱ溝口は天才だ)。ここまで内容が薄いと、そういうこだわりの映像も鼻につくだけ。
それになんだよ「見殺しにした」、「裏切って逃げた」っていう罵り合いは…。信念を持って散った女性が描かれていただけに、頼りない男二人だなぁって脱力してしまいました、本当。まぁそういう女性の方も描き方が浅いんですけどね。登場人物全てがまさに様式と化していて、全然感情移入なんて出来ない。
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09.03.16記(09.03.15DVD鑑賞)
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