[コメント] 剣(1964/日)
自分が当たり前と思っていることが周囲に理解されないのは辛いこと。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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どっかで聞いた話やなあと思ったら夏目漱石の「こころ」やね。三島が意識してたかどうかはわからないけど。
国分は目標達成のためには余計なことは考えずにひたすら修行するのが当然と考えている。しかし周囲は、なにもそこまでせんでもと感じていて、彼にはそれが理解しがたい。唯一の理解者だったはずの壬生にも裏切られて自殺に及ぶ。なにも死ぬことはないのにと思わんでもないが、市川雷蔵の見事な演技は「国分はああするほかなかったのだ」と思わせるに十分な説得力があった。
「俺はこんなに一生懸命なのにどうしてみんな付いて来てくれないのだ」という感情を経験したことのある人間には辛い映画だ。純粋さはときに命取りになる。国分に比べれば自分が随分と汚れた人間であったことを幸運に思った。
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