[コメント] 風と共に去りぬ(1939/米)
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南北戦争に翻弄されながらも必死で生き抜く女性の姿を描いた映画。マーガレット・ミッチェルのベストセラーの映画化。
上映時間3時間51分はさすがに長い。時代に翻弄される女性の生き様を描いたと言う割には、この映画でのスカーレットの描かれ方は自由奔放でわがまま、一途に好きだったアシュレーがメラニーと結婚するとメラニーに嫉妬し、妊娠した彼女に結構冷酷な目で見ているし、バトラーとの恋愛にしてもお遊びで付き合っている感じで、バトラーへの愛が感じられないまま結婚に至り、子供を事故で失っても全くかわいそうに見えない。正直、時代に翻弄される苦労の絶えない女性を描いた映画なのに、なぜここまで感情移入しにくいキャラを主人公にしているのかがわからない。
また、スカーレットが困難を乗り切る過程も苦労して乗り切ったという感じではなく、簡単な方法を探してともかく楽に生活したいという感じの楽観的な乗り切り方なのもストーリーに乗り込めなくしている。
役者的にはビビアン・リーは好感の持てないキャラで主役を張れるところは感心するが、せっかく優れた演技力を持っているのにもったいない気がする。バトラー役クラーク・ゲーブルは『或る夜の出来事』の頃に比べると、顔つきもスケベっぽく、役柄的にも年相応見えるので妙にはまっていた。
この映画を楽しむポイントはスカーレットのキャラを素直に受け入れられるかどうかで決まると思う。映画として見ると時代に翻弄されながらも逞しく美しく生き抜く女性像に共感の呼べる部分があるとは思うが、個人的にこの映画の主人公スカーレットは性格が根本的に共感しにくいキャラなため、その彼女が時代に翻弄されてもあまり感動できなかった。
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