[コメント] アラモ(1960/米)
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アメリカの歴史上有名なアラモ砦の攻防戦を、西部劇の雄ジョン=ウェインが何と監督、製作、主演までこなして投入された作品。ウェイン自身、思い入れが非常に深かったらしく、1200万ドルという私財まで投入している。
役者が映画の監督を務めると言うのは結構映画史上においては良くあること。実際に傑作も多い。演じている内に、自分なりにどう撮るべきかを自然と学んでいくのだろう。ただ、それらに共通するのは、総じてキャラクターが非常に立っており、格好良い映画が作られることが多い(監督やりたがる役者というのは、多分にナルシストの気があるし)。
ただ同時に、何故かこの手の作品は、妙に尺が長くなってしまうのも確か。2時間以上は当たり前で、3時間を超えるものだって結構ある(勿論例外もあるけど)。何も長くなれば悪くなるわけではないが、キャラクターで保たせるには無理な長さというのもある。本作は残念ながらその悪い部分ばかりが目に付く作品となってしまった。
西部劇としては破格の製作費のお陰で、後半部分のエキストラ数と言い、爆薬量と言い、大変派手に仕上がったのは確かだし、キャラクタの立たせ方も良い。ウィドマーク演じるボウイとハーヴェイ演じるトラヴィスとの確執と和解、ポイントポイントで締めるウェイン演じるクロケット。その演出は悪くない。
ただ、単一テーマ、つまりこの場合アラモ砦を守るという、それだけのために3時間は長すぎた。仮にこれが歴史大作で転戦を繰り返すと言うのならともかく、一つの出来事であったら、緊張感保たせるのは2時間が限界だぞ。
結局2時間ほどで疲れを覚えてしまい、後の1時間は脱力。ラストの派手なドンパチも、結構あっさり流してしまった。
余計な部分を削るなり、流れを短縮するなりでそのくらい短くできたと思う。それがちょっと残念。ウェインが製作まで務めたのだから、当然短くなるはずはないんだけどね。
…結局本作は1961年の全米興行成績で7位と言う好成績を残したものの、莫大な製作費を回収するまでには至らなかったとか。
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