[コメント] 突撃隊(1962/米)
「ドン・シーゲルの特質はその『経済性』だ」と云うとき、それは主に「語り方」を指しての言葉であることが多いと思われるが、戦争映画、殊に前線での戦闘を描いた映画としては必要最小限と云ってもよい量のドンパチで最大の興奮と緊張感を生み出しているここでの演出もまた、すぐれた経済性の発露にほかならない。
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もっとも「必要最小限と云ってもよい量のドンパチ」と私が云っているのは中盤までのことで、終盤にはなかなか派手な戦闘が繰り広げられる。だが、そこにおいてもシーゲル演出の経済性を保たれたままなのだから、活劇的興奮が乗法的に増加してゆくのも道理である(もちろん「派手な」と云っても、それは所謂「大作戦争映画」と比べればごく慎ましいものではありますが)。そして映画は唐突に意外かつ無情な結末を迎える。そこには確かにスティーヴ・マックィーンのヒロイズムが認められるが、それはきわめて切なく、やるせないヒロイズムだろう。
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