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[コメント] 汚名(1946/米)

彼と彼女に感情移入。
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







キャラクター達に感情移入して見るのが映画の一つの見方だとするならば、 これは恐らく途中で感情移入するキャラクターががらりと変わる。

前半部はもちろん「彼と彼女」(ケイリー・グラントとバーグマン) このロマンスに、彼女の「愛してると言って」の問いを曖昧に濁す彼に何だか煮え切らない男だな、とかちょっと苦々しく思うし、 その正体もいつばれるのかとドキドキもする。

しかし、後半部。 そうその正体がスパイであると知れてから 感情移入の針は圧倒的にその親子の「彼と彼女」方に傾く。

ほとんどセリフも無く、鍵に気付きその正体を知り階段を闇の淵から登ってくるシーンに、静かだけど淡々と確実に近づく崩壊の予兆に見ているこちらは圧倒される。

もうここからはそれこそ、その親子「彼と彼女」の一挙手一投足にがぜん見ている方はハラハラゾクゾクの連続だ。

バーグマンが毒を盛られたシーンでさえ私は、「バーグマンが捕まってしまう〜」と言うドキドキさよりも、この親子の抜き差しならい怖さにぞくりとしたし、

ラストの階段でのシーンでも、私は冷静に問題に対処するババァの囁きと言動に 耳をそばだてたし、クロード・レインズが感じているその自分が窮地に立たされているのだと言う居心地の悪さに感情移入してどきどきした。

そしてもちろん、家の中に戻っていくクロードレインズにも少し哀れさを感じてしまう。

最高に傑作だす。

(評価:★5)

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