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[コメント] サイモン・バーチ(1998/カナダ=米)

色々文句は出てくるのですが、最後の怒濤の展開では泣いてしまった自分がいるわけで…
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 現代アメリカ文学を代表するアーヴィングの「オウエンのために祈りを」の映画化作。一応話は原作に沿ってはいるが、超自然的な感覚部分はなるだけ出さないようにして、少年同士の友情に焦点を当てた作品に仕上げていた。ちなみに原作ではちゃんとこれからもサイモンは生き続け、“神の計画”をしっかりこなしていくことになっているが、話をまとめるため、ここではサイモンは最後に死んだことになってる。

 主題は面白いし、きちんと少年の友情と、意志の強さによって困難を乗り越える姿など、見所は大変多い。客観的に言ってもかなり気に入った作品ではある。  良い映画であることは確かに認める。ただ、ちょっとはまりきれなかった部分もあり。いくつものショートストーリーを同時並行して描くことで焦点がぼけてしまい、やや物語にまとまりを欠いてしまったことが第一だろうが、本作の最も重要な部分。ノスタルジック部分を私が受け止められなかったことだろう。

 田舎での少年時代。これはアメリカ人にとってはとても懐かしい思い出であり、それを刺激されると、評価はぐんっと上がるだろう。それこそ同じメイン州を舞台にした『スタンド・バイ・ミー』はその最も端的な例。本作の最重要の肝はそこにあったと思われるのだが、残念ながら、アメリカ人でない身としては、それは“単に綺麗な”作品から出ることが無く、その部分でちょっと悔しさを感じさせてしまう。画面にはまり込めないと言うことはすなわち物語上のあざとさって奴が見えてしまう訳でもあり。私自身の資質として合わなかったというところで。

(評価:★4)

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