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[コメント] ハリーの災難(1956/米)

私から見れば明らかな駄作です。 2003年1月29日
ねこすけ

と、安直に言ったところで、「楽しみ方がわかってないねぇ〜」と突っ込まれるかもしれない。確かにこの映画は、そのとおりで、このローテンポと、たわけたユーモア(あえてギャグとは言わず)を楽しむ映画。全体的に、意識したように風景を撮り、少ない登場人物と、ほとんどロケを使わずに撮ったような映像。恐らくそういうところを「のほーん」と見る映画なのだろう。

それに、何よりも、スリラーでありながら、まったくハラハラさせないという面では、ヒッチコック初心者の俺でも異色と感じる。

が、しかし、ゆったりしたテンポで描くのは結構だが、頭の悪い登場人物が室内で延々と会話を始めてうんざり。絵を買いにきた大富豪の使い方もどこか下手くそに思える(登場させるだけ登場させて、途中欠場でラストの復活?これだけ?)し、保安官(代理?)の使い方もあまり上手いと思えない。眠くて、ほとんど笑えない。

所々にある、爆笑させるためでなく、あくまで「くすくす」と笑わせるようなユーモアはなかなかいいと思うし、子供の使い方もなかなか上手い。子供を上手く伏線に使い、ラストは「それで終わり?」みたいな観客を丸ごと騙すようなオチというかエンディングは別に悪いと思わない。

しかし、会話に無駄が多すぎる。登場人物が頭が悪すぎる。保安官や大富豪の使い方が面白くない。何よりも、テンポがゆるすぎる。

この内容をこのテンポで描くならもっともっと刈り込んだ方が面白くなった気がする。

映画史の中で永遠に評価されつづけるであろう、アルフレッド・ヒッチコックの作品に1点をつけるのは何か気が引ける。

しかし、どうだろう?内容が独特で面白く、なかのユーモアも独特で面白ければいいのか?それとも観客がすかっと楽しめればいいのか?

俺は前者だけだったとしても、ある程度評価はする。

だが、それ以前にこの1時間40分が苦痛でたまらなかったのだから、1点をつける以外考えられない。苦痛の時間に1点以外つけることはできませんと。

(評価:★1)

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