[コメント] バッファロー’66(1998/米)
ダメ男による妄想ファンタジー。まさにミニシアター的な他愛ない小品。今や通用しそうにないジェンダー観を含めもはや絶滅危惧種だが。何と言っても、全てを包み込むミューズとしてのクリスティーナ・リッチが神々しい。
助手席から長台詞を捲し立てるギャロの主観ショットに、運転席から無言のカメラ目線を続け堂々とした表情。ボウリング場での幾つかのシーン、準備をするギャロと切り返しで上着を脱ぐ、余裕たっぷりのタップダンス、証明写真での2ショット、どれも官能的であり健康的でもある。このときまだ18歳かそこらだったなんて信じられん。
寒々しいオープニング、その辺でしそうなものを律儀にトイレを探し続けるギャロの姿に人柄が滲み出ていて微笑ましい。微笑ましいといえば、モーテルの場面、汚れるからベッドカバーに座るなとの気遣い、絶対に見るなと言いながら着衣で入浴、添い寝して腰が引けた姿勢、悉く可愛らしい。そしてホットチョコレートは心の底から温まりそうだ。
実家の食卓のカメラアングルは小津へのオマージュなんて言われているようだが、今観るとちょっと作為的で鼻白む。
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