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[コメント] π〈パイ〉(1998/米)

サイバーでオカルトな香りを漂わせ、シャープなモノクロ映像がテクノのリズムに乗って炸裂する、快感と不快感との果て無き相乗。「らしさ」「っぽさ」を求めて見るにはこの上無いと言っていいほど最適かと。
HW

「世界の全ては数字で解明する事が出来る」なんて戯言、どう聞いた所で(少なくとも凡人にとっては)数学キチガイの妄想なんだから、真面目に考えて見ちゃあダメでしょう。せっかくこの映画には全てが備わっているのだから、それっぽい人物、それっぽいセリフ、それっぽい展開、それっぽい映像、それっぽい音楽・・・etc。とにかくこの「それっぽさ」は本物です。数学好きな人にはまた別のマニアックな楽しみ方があるのだろうけど、ここは素直に、理系とか文系とか関係無く堪能出来るこの極上の「それっぽさ」を誉めるべき。

ただ惜しかったのがラスト。合格点ではあるけど、安全圏へ逃げずにもっと大胆な博打に出て欲しかった。カタルシスに欠けるというのもあるし、「それっぽさ」も足りない。

ところで、低予算で「面白い映画を撮る」という観点だけではなく、「稼げる映画を撮る」という観点でも大いに成功している映画としては、『CUBE』と似ていると思う。あれも「それっぽさ」に満ち溢れた作品だっただろう。人間の好奇心という奴は「それっぽい」空気に弱いんですなぁ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ねこすけ[*] 24[*]

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