[コメント] レベッカ(1940/米)
いやーこんな素晴らしい映画は見たことないっス。ヒッチコックってやっぱ天才ですね。
ヒッチコックとは相性が悪い。
ここがネタですよ、ここにネタがありますよということを、ネタを明かさぬままに延々と引っ張り続けるので、しまいに馬鹿馬鹿しくなってしまう。実際にネタが明かされると、われわれが事前に想像するより一捻りも二捻りも加えられたネタであって、かつそれなりに説得性を持たせている点などは、今の映画監督と比べてもずいぶん素晴らしい。だがそのことへの驚きでは埋めようがないほど、引っ張られ続けたことによる退屈感のほうが大きいのだ。そういう意味でヒッチコックは、技巧に走りすぎて、観客が本当に楽しんでるかどうかが見えなくなってしまった映画作家の元祖じゃないかと思う。と言っても、こういう物を楽しむ人たちもいるのだから、単に私とは相性が悪いだけなのだろう。わりとヒッチコック色の薄い作品と評価されているらしく、さほどヒッチコックに詳しくない私でもそれは感じた。そして、ごくオーソドックスな演出部分に関しては、申し分なく楽しめた。だが、比較的少量のヒッチコック部分がやはり鼻につくので、私にとっては、あらためてヒッチコックは相性悪いんだということを、しみじみと感じさせてくれる作品となった。
ええ。ご想像通り、コメントに掲げたのはオベッカであるという落ちです。お休みなさい。
75/100(07/07/10記)
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