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[コメント] 甘い生活(1960/伊=仏)

甘い甘い。恋は甘い。人生は辛い。
もりっしー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ラ・ドルチェ・フェリーニ。 最後のうっとおしいくらいの乱痴騒ぎですが、あれ全てラストシーンの為だなぁと。 目先には無垢な少女。 疲れ果てた自分は怪物と共に横たわる。 近いけど、決して届かない。

 「あー“今だけの生活”をしてきた俺はもう一生あちら側には行けないんだろーなー」ってマルチェロの思いが伝わってきたような気がしたよ。

 何が一番好きってお父さんとのエピソードです。 「おりゃー文学者になるぜ!」と啖呵切って父親を見下げ上京した田舎少年マルチェロ。 結局三文パパラッチになり、その場限りの情事に身を重ねる都会の男マルチェロ。 そんな彼は、以前の張り切っていた少年時代とは見違えて父親に優しく接する。 その父親は酔いつぶれ、風に当たり、息子の引き止めも聞かず朝一番の電車で帰って行く。 これだけで泣ける。 フェリーニで流す涙はほろ苦い。

 若尾好きさんのこのレビューを見てハッとした。 何も無いから、フェリーニは泣けるんだ。 人は何かに気付いたらそれを受け止めなきゃならないし、受け止めた上で行動をし、自らを向上させなければならない。 でもフェリーニに出来た事は見て、気付くだけだった。『甘い生活』でも『』でも同じ。 だから泣ける。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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