[コメント] 摩天楼を夢みて(1992/米)
人間、上手くいく奴といかない奴が出るのは当たり前。俳優としての一流どころが火花を散らしてダメ社員を演じるのに違和感があるかと思えば全くなし。ジャック・レモンの目の据わり具合は腹の底からダメさ加減を発散している。
相手の返事をはぐらかそうと必死に愛想と家族の話題を話し、いかに自分が成功者であるかを強調し、古い営業マニュアルまんま「ここだと掴んだら相手の目をジッと見て話せ」を忠実すぎる位守って墓穴を掘っているベテラン営業マン…あまりにリアルだ。
「良いネタが無いから売れない」「ダメな営業に良いネタはあげられない」。最近だと銀行の不良債権問題なんかもそうなんだろうけど、月並みな答えだがこういうのって「良いネタでないと売れない営業マン」と「良いネタを収集する能力がない本部」というダメ事実をお互いが認めないからこじれるんだよな。景気の良い会社って営業も製造も自らの問題点を年中チェックして改善しているもんだ。
というのが俺の考えなので工場で試験機の製作中、上司が世間話程度のノリで「うちがダメなのは本社の怠慢のせいなんだよ。なあ?」と言われた時「いや、それは違いますよ、…であり…つまり…」と自説をぶちあげたらとたんに機嫌が悪くなった。
俺は「これだからこいつと話すのはイヤなんだよなあ」と心の中で思ったんだがもし上司が「ほう…俺がジャック・レモンでお前はケビン・スペーシーって辺りか?」と試験データに軽くメモを取りながら軽くいなしてくるんなら評価変わるんだけど。
でも返ってきた上司のリアクションはトンカチで上手くいかない試験機をガンガン叩きながら「とにかく本社がダメなんだよ、本社が」。人の話聞いてないよこの人。
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