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[コメント] シマロン(1931/米)

この作品に見る男と女の愛の形について。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この作品の主人公の男は、現状に満足しないで常に新しいものに挑戦する男。一ヶ所に定住出来ないで、0からの出発もいとわない男。一方妻は、まず家庭の安泰を夢見、それを基盤としてその上で挑戦をやっていこうとする女。

映画のラストでは男は石油発掘現場の労務者となっており、妻は国会議員になっている。労務者と国会議員という社会的地位の差はあるが、二人共その各々の人生には満足しているのではないか。

では二人の愛についてはどうか。女から見れば、しばらく一緒に居ても又どこかへ行ってしまう男―その愛を疑う。男にしてみれば、女を愛してはいるが、いつも一緒に居なくても良い、愛する女がどこかに居てくれさえすれば良い。それよりも、新しいものへの挑戦に心を動かされる―どうしようもない衝動がある。

その衝動がある限り、無理に一緒に居ても男はイライラがつのり怒ってばかりいるようになり・・・、やはり二人はうまくいかないだろう。こんな男を愛した女の不運ということになるのだろうか。ある程度、離れて暮らすのが良い・・・そんな二人の愛の形。

(評価:★4)

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