ハリウッドでの大スターとなったジャッキーだが、ハリウッドで作る彼の作品はどうにも相性が悪い。一本のアクション映画として観る限り、質が高いのは認めるのだが、ジャッキーの本当の魅力って言うのはやっぱり戦ってこそ華がある。それも乱戦で逃げるような戦いじゃなく、一対一、あるいは一対数人の戦いで、後ろを見せずに正面から戦うこと。しかも決して一直線ではなくオーバーアクションと避けを多用しつつ的確に敵を捉える…まあ、要するに普通の功夫映画でこそ映えるって事だ。相棒も基本的には必要ない。

　それで本作は香港に戻り、自分自身の魅力を存分に発揮してくれた。久々にジャッキー映画で本当に面白いものを魅せてもらったって感じ。まあ、さすがにハリウッド俳優。戦いだけじゃなく、存分に飛んだり跳ねたりもしてるんだけど、最後はやっぱり肉体だけを使っての異種格闘技で締めるあたり、自分自身の魅力ってのがやっぱり分かってるじゃないか。

　ジャッキーは既に結構良い年齢になってるけど、それでもこれだけ動けるし、しかも動きが華麗。まあ、対するのがケイン＝コスギってのがやや小物っぽいけど（大変失礼ながら…それに私はこのキャラ、結構好きだよ）、でも久々に溜飲が下がる思いをさせてくれた。