これまでかなり質の高い作品を提供してきた本シリーズも、一気にパワーダウンしてしまった感じ。今回の犯人は自分の魅力だけを頼りに行き当たりばったりに事件を起こしてしまうし、トリックも単純。妙に軽い演出が続き、コロンボの悲壮感もまるで感じられないと、どうも演出の悪さだけが目に付く。日本のテレビドラマでも、まだこれよりは良いものがたくさんあるよ。

　自分の魅力に絶大な自信があるのは良いにせよ、失礼ながら悪人顔のアルバートにそれをやらせると、どうにも浮きっぱなし。それに最後の問いつめだって、その気になればしらを切り通すことが出来るほど根拠薄弱。