[コメント] 狩人の夜(1955/米)
久しぶりに再見したのだが、ヤッパリとっても変な映画だと思った。決して名作とか傑作などと云うべきものではない。稀代の名優が生涯で一本しか監督作を残さず、しかもこの奇異さ、という事実も、本作のカルトムービーとしての価値を高めている。
何が変なのか。第一に、いろんなものがゴタゴタし過ぎている。画面もプロット構成も、キャラクタリゼーションにおいても観客に引っかかりを残し過ぎる。空撮と接写(動物たち!)、ロバート・ミッチャムの「L-O-V-E」と「H-A-T-E」、水中の死体の幻想、小舟の川下りの詩情。シェリー・ウィンタースとリリアン・ギッシュの対照的な性格づけ。
いやそれにしてもギッシュは強すぎる。ジョン少年の複雑さにも驚かされる。そしてエピローグの付け足しも畸形な構成に輪をかける。はたしてこれら分裂気味の志向性は チャールズ・ロートンの資質なのだろうか、甚だ疑わしく思う。
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