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[コメント] ジャンヌ・ダルク(1999/仏)

年配から散々された質問がある。「司馬遼太郎の坂本龍馬は読んだか?」と。
Bunge

未読であることを告げると「あの飄々とした雰囲気の良さがわからんガキが」といった得意げな顔のご登場だ。ベッソンはそのフランス人版といえる、ジャンヌおたくにうんざりしてたんじゃないかな。序盤は思い切り感情移入できるように、美的にも成功した映像で埋め尽くしている。

中盤は白目を剥いたり、足に矢が刺さった状態で空想するなど執拗に狂気を描く。狂気の正体は、わたしには統合失調症としか思えなかった。雲の動きや鐘の音、風に意味を見出す様は、車の排気ガスに何かのメッセージがあると勘違いして壁にしゃべり掛けてる人らと近いものを感じる。偉大な使命を受けたと思い込んでいるところか、物事の説明が実にとりとめないだとか、他にも沢山相似点がある。

そしてジャンヌヲタクに文句を言われたときの対策もある。「ジャンヌを狂人として描いて何が悪い?統合失調症患者に偏見でも? ラストを見ればわかるがこれは反戦を扱った真面目な作品だ」と言えるように作ってある。

この映画のジャンヌも狂っているが、大金をぶちこんである今作をこういった形にしたベッソンもかなりのもの。

(評価:★4)

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