前半は日本篇。家族全員がクイズで商品の旅行ゲットし、青年は恋人と別れてひとり日本へ。出鱈目な旅行会社新採の新井令子と大阪から東京を目指す。この前半がハッピーでとてもいい。出鱈目な広東語、カプセル泊、通天閣、盗まれる荷物、旅行者の服いつの間にか来ているへんな母親、ホンコンは京都のパチンコ屋であるという半可通、居酒屋でカンパのために唄うなんてったってアイドル、西成ロケ（ゲリラ撮影だったらしい）、適当に参加する昼から酔っ払った爺さんたち、ペイントされた職安横の道路、ディズニーの代わりに花屋敷、香港ツアー当たって帰省というナイスなオチ。

後半は香港篇、ビル開発への抵抗が語られる。「熊谷組」の工事看板が判るように映される。具体的な開発との関係はあったのだろうか。父は旧日本軍への恨みを語る。立ち退かないのはこの一家だけ。電気水道止められ、業者襲って留置場。カード擬装で抵抗を試みている。主人公はついてきた日本娘と地元の彼女との三角関係。そのようにアホは国境を超えるという理想が画期的に希求されるのだった。