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[コメント] うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー(1986/日)

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の深みを目指そうとしたんでしょうが、「うる星やつら」という素材への固執のためか、観客全てに訴えかけるには普遍性に欠ける。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 「町が意思を持って、住民の望む世界を作ろうとする」っていう着眼点は面白いと思います。面白いけれど、想像がそこから一歩も進んでいない。そこから先を「友引町」っていう、既に「うる星やつらブランド」の力を持ってしまった町名に頼っちゃったんですよね。いつも不思議なことが起こっている友引町だからこそ町が意思を持った、みたいな感じになっちゃって、我々の住む日常とリンクしてこない。

 「うる星やつら2」では、その辺りに圧倒的な訴求力がありました。夢と現実、日常と非日常、ハレとケ。うる星やつらブランドを大事に思っていないと言えばそうなのかも知れません。ただいずれにせよ、その地平を目指したのなら着地点はもっと先立ったはず。高橋留美子の掌から抜け出せてない印象は拭えません。

 だからこそラストのあたるに「俺は走る」なんて言わせちゃうんでしょうね。「走ることはあたるなりの愛の証」らしいんですが、この行動にはそれ以前からの連続性が一切ない。こうしたナンセンスは正に高橋留美子のお家芸であり、結局そこに飲み込まれてしまったってことなんだと思います。惜しいけれど心には残らない。

(評価:★3)

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