[コメント] ネイキッド(1993/英)
風呂用洗剤のボトルで、おでこと、手のひらをキコキコ。この刻印は既に私達みんなに付けられている背番号なの?
そんな風に管理されている社会の中でもがく私達に、ルイーズの啖呵が、ちいさな希望を与えている。
登場人物のなかで、なにやら力を持つものとして描かれるジェレミーは確かに嫌なやつだ。 ただ、彼がこんな風になってしまった背景には何があるのか考えると、ここに、登場する人物は、みなそれぞれに社会的弱者であると思う。 それぞれが、怒りの矛先をどこへ向けたらいいのかわからずに苦しんでいるのだ。
出来は映画だけど、誇張や抽象性は、舞台劇の感じそのものだ。 誰もが感じている閉塞感を、このような形でフィルムに収めると、観る人も、なにか得体のしれない重圧を感じずにはいられない。
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