[コメント] BLUE(1993/日=英)
青
(サイモンターナーの音楽は絶品!)
昔、ここで「青かった」と一言レビューされている方がいてとても心を打たれたことがあった(深い)。「自己陶酔でくだらない」というどうにも感受性の欠如した人間も下の方にいるようだが。しかし、そういった人間の落書きじみた映画レビュー群はなんなのか。かなりの自己陶酔だと思うのだが。
さて、芸術とはある意味で自己陶酔そのものであろう。そして本作は死を直前にした男の内的で切実なものだからこそ胸を打つのだ。死が目前にせまっている以上、名声を得るために作られたものではないことは明白だ。ここではHIVにおけるマイノリティの問題への姿勢が甘えとしてあらわれているようにみられやすいのだが、しかし、映画は甘えで撮れるわけはない。やはりこれは限界点におけるデレクジャーマンの試行錯誤、闘争なのだ。人々に勇気をあたえる種のものだと思う。
でも、そういったイデオロギーや思惑を越えた地平で、この青とおやじのつぶやきとターナーの音楽に引き込まれてしまった自分がここにいる。
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