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[コメント] 非情の罠(1955/米)

どうでもよい傑作!
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







このタッチはやはり映像を追い求める変人キューブリックならではと言えるだろう。しかし、別にキューブリックでなくても十分作れる映像であるが、彼が全てを仕切って唯一音楽だけを他人に任せた、そのセンスが見事だ。彼は晩年イギリスを出ることがなかったが、この頃はまだアメリカ人であった。

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久しぶりに真面目に?この映画を見直しました。

物語は極めてありふれていますが、やはり光と影の描写など、キューブリックの才能があふれた作品でしたね。

この映画の主人公はボクサーですが、最後に女性を巡って争いあう男の戦いに、マネキン人形を投げつけるシーンが多様されていて、このシーンの迫力は圧巻。そして実はこの映画が女性中心に描かれていることに漸く気づくんですね。

このボクサーと駆け落ちしようとする女性の心理は全く見えません。出会って二日で駆け落ちに同意する女性。そして仕事先のボスに退職を求め、男(ボクサー)と駆け落ちしようとして止められると本音か嘘かわかりませんが、すぐに寝返る。

そして最後は結局このボクサーと駆け落ちを決意する。

美しい女性の心理をオブラートに包みながら、そんな見えない女性の心理にもてあそばれる男性の戦い。この無益な戦いぶり(マネキン戦争)に、男の単純さと幼稚さを重ねているんですね。

この二重性がキューブリックの真髄でしょう。

彼の作品はその後『ロリータ』あたりを境にますます二重性を帯びてゆきます。それはいにしえの古代と未来(『2001年宇宙の旅』)、暴力と狂気(『時計じかけのオレンジ』)など、狂気にまつわる二重性の心理を帯びてゆくんですね。この変わり身の怖さ。これが彼の原点なんだと思いました。

2010/1/20(自宅)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)Orpheus きわ[*]

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