[コメント] 絶唱(1966/日)
ここに描かれるものは、燎原の火の如く燃え広がって、周囲のすべてを焼き尽くす炎のような恋愛、ではないですね。世間(あるいは因習)の許容範囲に程よく収まった、ほとんど主従関係のような親愛の情。昔(=この当時)の人(特に女性かな)は、こういう物に憧れる心性があったということかな、その対象としては舟木一夫みたいな清潔な容姿の人(逆に言うと危険な感じのしない人)が相応しかったってことかな、と思いました。そして、こういう結末を迎える(恋愛映画ではままあるパターンですが。特に最近のは多い気も)ということは、すでに失われつつあるものを取り戻したいという、郷愁的な感情に火をつけたのかな、とも。今は、なかなか描かれないというか、描いてもあまりリアリティを持ち得ない感覚なので、かえって新鮮でした。あと舟木の歌はいいね。
80/100(07/03/07記)
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