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[コメント] コックと泥棒、その妻と愛人(1989/英=仏)

圧倒的な色彩と美術。愛と憎悪の混じった強烈な感情。圧倒的な虚栄心と腐敗臭。全てを増幅する音楽。どうでもいいけどDVD裏の写真にそそられて見たんだけど、思いっきりネタバレじゃん 2004年8月16日DVD鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







食事、暴力、暴言、拷問、セックス、そしてシェフが腕を振るった今日の特別メニュー・・・憎悪と愛の入り混じった強烈なラストは凄かった。

ただ、あそこでどういう料理が出るのかが完璧に分かっていた分、衝撃は大して無かったのも事実。DVDパッケージの裏や、メニューの音声選択画面等でラストの「人間丸焼き」の画像を載せているのは明らかなネタバレで、お陰で映画を見る楽しみをそがれてしまった(いや、元々あの写真のお陰で手を伸ばしたのも事実だけど)。これは少し残念だった。

まぁそれでも十分迫力のあるシーンだったけど(多分何も知らずにこの映画見たら★5つけたかも)。

映画全体を通してレストランの「赤」が基調となる色彩に下品な食卓が作品のグロテスクさを増幅する。このめまいがする強烈な色彩感覚と徹底的に盛り上げる音楽がすげぇ!少年の歌うハッタリっぽい歌詞の歌とか中々笑えた。えっ?笑えない?すみません。

そもそも『カレンダーガール』の印象が強いヘレン・ミレンがこういう役やっててビックリなのと、ティム・ロスが面白かった。

どうでもいいけど、本屋と夫人が浮気してるのがバレて「泥棒」が暴れだした際、「コック」が用意した車が腐った肉の入ってるトラック。仕方なく臭いを我慢しながらその中に逃げ込む裸の男女、っていうシチュエーションは凄いと思う。こんな演出考えられるなんて、すごいぞグリーナウェイ!

つーかこの映画、裸の男女が肉の中に入る、ってシチュエーションが多いっすね。コレ演出だよな?

最初は純白のトイレだったけど、次はキジ肉の倉庫、その次は食器室だけど、旦那にばれて隠れる場所は肉まみれの冷蔵庫だし、逃走の際は腐敗臭漂う肉トラックだし。

確かにこの美術は圧倒的だし、監督の手腕も凄いと思うけど、なんかちょっと物足りなさを感じたのも事実。中々面白かった。

(評価:★4)

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