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[コメント] ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇(1993/香港)

アバンタイトルの紫禁城のシーンから撮影機が登場する。本作が映画についての映画であることを既に冒頭から宣言しているのだ。撮影機は蒸気機関と共に近代化の象徴として描かれるが、一方で映写機を中心としたシーンは悉くユーモラスなシーンであり、言葉使いとしては強すぎるかも知れないが、映画は云わば幸福の象徴として描かれている。
ゑぎ

 例えばカンフーの型を映す愉快なシーン。鬼脚がフーンと心を通わせる映画鑑賞会のシーン。こゝはフーンが豆を投げ鬼脚が笑って豆を受け取るという、物の受け渡しの所作による連帯感醸成のシーンにもなっている。そして路上で横倒しになった撮影機が偶然にもロシア軍人の行動を撮影し、そのフィルムを皆で上映するシーン。暴露するメディアとしての映画を印象付けるのだが、しかしそれ以上に表層的には見る者が全員顔を横にしている(カメラが横になって撮影されたので首を曲げないと見づらい)、というユーモアが強調されているのだ。作り手の映画への愛情を感じずにはいられないではないか。  さて、アクションシーンでは宴会場で油が撒かれた中でのアクションが圧巻。獅子王をかけたラスト近くの大乱闘はスペクキュラーだが少々画がうるさい。

(評価:★3)

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