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[コメント] 黒い瞳(1987/伊=仏=露)

こんな役を正々堂々と共感を持って演じる事が出来るのはマルチェーロだけ!(週刊少年ジャンプ風惹句)
ボイス母

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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インテリなんだけど道化。オジサンの癖に天使のように無邪気。 結局は破産した妻も見捨てる事が出来ないままにロシアの女性を裏切ってしまう。見捨ててしまう。 この初老男の残酷な仕打ち。

しかし、それすらも含めて、「湯治場での不倫すら」も含めてなおのこと、「仕方がなかったのよ」「ああするより他は無かったのよ」と女性観客(ワシ)に言わせてしまう(@物凄い「反不倫主義者」である。因みに)このマルチェッロの素晴らしい事!

恋をする事の素晴らしさ。恋をする事の苦しさ。 恋に狂って頭がおかしくなってしまう事の奇妙さ&正しさ(そんな僅かな情報で、ウソ話までこさえてロシアまで出かけてしまうこの行動力は狂気の沙汰である)

ロマーノはロマの民(ジプシー)のように自由に根無し草のように恋に生きたいと願ったのに、その後味の苦さと恋の運命の残酷さ。 糟糠(?)の妻をその最底辺で見捨てる事の出来ない優しさ。 そんな男の優しさ、弱さをものすごい説得力で見せてしまうこの演技者としての力量には改めて、「希有な俳優だなあ」とシミジミ感心させられた。

一度行ってみたいや、ヨーロッパの湯治場(19世紀の頃は貴族のお見合い場とか不倫の場としての定番であったらしいが)

(評価:★5)

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