[コメント] ビューティフル・ピープル(1999/英)
あのボスニア紛争をテーマにしながら、こんなチャーミングな、しあわせな映画をつくれるなんて。
こんなあったかい映画は久しぶりに見た、と思った。あのボスニア紛争をテーマにしている映画で、そんな気持ちになるなんて。
ボスニア紛争というテーマを扱うのに、監督は舞台をロンドンに置いた。(私がびっくりしたのはイギリスがこんなに多くの難民を受け入れているらしいということ。ニッポン、どうよ?)出てくるのもフツーのイギリス人やボスニア難民。監督はヒロイックなものやナルシスティックなところを極力排除しようとしているらしい。
堅い映画ではない。笑える。5つのエピソードの中で、私のお気に入りは、間違って正義のヒーローになっちまったフーリガンの話。(W杯でも、彼のような密航者が札幌に投下されないかと思って空を見上げました。)
おバカで考えなしな彼でも、正義の味方になった。でもそれとは逆に、平和なままだったらフツーの市民同士だったボスニア難民2人はお互いを殺し合おうとする。 人が単純に「いい人」と「悪い人」に分けられるんなら、とても簡単だけど、この世界ではそんなふうにはならない。
それでも、そこには、少なくとも「愛」が生まれる希望がある、と信じさせようとしている。世界の辛いことから目をそむけて幸せになるのでなく、戦争や殺人憎しみ差別、その辛いことにも関わらず、人は幸せになれるのだ、と。
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