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[コメント] キリング・フィールド(1984/英=米)

「怪獣映画は戦争映画の変形である」といわれて久しいが、それならば逆に戦争映画の中に怪獣映画の魅力を発見することも可能であるはずだ。戦場を駆け回るジャーナリスト、破壊し尽された街、飛び交うヘリコプター、溢れ返る避難民、血まみれの病院……この映画(特に前半)には怪獣映画に求められる画を多く見いだせる。私にとって本作は最高の怪獣映画の一つだ。
Sigenoriyuki

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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本作はちょっとした長回しが随所に見られ、これは『プライベート・ライアン』以降の戦争映画が手持ちカメラの揺れを強調するように、現実らしさ、ドキュメンタリータッチを追及するためのものだと思われるのだが、それが結果として前述した画をより効果的に見せることに貢献している。感情移入を排した即物的な銃殺シーンなども良い。

脱獄サスペンス的な後半ももちろん面白いが、合間合間に挟まれるサム・ウォーターストンのアメリカパートはやや退屈だし緊張感を削ぐ。結局のところサム・ウォーターストンハイン・S・ニョールが関係性が台詞以外で十分示されていないことがこの映画の弱さか。

(評価:★4)

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