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[コメント] ブリキの太鼓(1979/独=仏=ポーランド=ユーゴスラビア)

無邪気と悪意は、時として残忍であるという点で紙一重だ。不愉快でグロテスクだが、目が離せない、頭から離れない映画でもある。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







無邪気さの中に秘められた残忍さ。それは,主人公オスカルだけでなく,彼の母親をはじめとする大人たち,さらにはナチス政権下のドイツにも当てはまる。無邪気は,また愚かさとも紙一重である。この作品では,人間の持つ残忍さや醜悪さ,さらには愚かさが子供→大人→歴史と見事にトレースされているように思えた。

オスカルは大人たちの醜悪さを見て自ら成長を止めたが,結局,子供のままでも同じように醜悪な一面を持っていたのであり,そのことに気づいたからこそ再び成長することを決意したのだろう。

ラスト近く。投げられた石に当たったオスカルが死んだのかと一瞬受け取れるシーンがあるが,結局,死なずに西へ旅立っていくという終わり方は,いかに人間が醜く愚かでも,プラスの側面もあるし希望もある…と人間を肯定的に捉えているように感じられた。

(評価:★5)

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