[コメント] ボーン・コレクター(1999/米)
ジェフリー・ディーバーの「ボーン・コレクター」の映画化ということになっているが、似て非なるシロモノだ。(もっとも、原作も評判ほどは面白くはなかったのだけど。)主人公の名前は同じだけど、ライムの性質はぜんぜん違うし、だいたい、この映画においては、ライムよりもアメリアのが主役に見える。このライムなら女性が魅かれるのも理解できないではない。というわけで、まったく原作とは関係なくこれだけを見れば、ま、ハリウッド映画だし、そんなに悪いわけではない。
アメリア・・・こっちのアメリアは苗字がドナヒュー(ドナヒー・・・だったかな。)という。原作のアメリアと同じなのは、この名前と超美人だってことのみ。生い立ちも経歴も性格もまったくの別人になっているが、アンジェリーナ・ジョリーは正確にアメリア・ドナヒューを演じていて、やっぱりスゲーな!と驚いた。原作のライム×サックス組誕生の話だし、どうしてもサックスの要素を入れてしまうような気がするけれど、アンジェリーナ・ジョリーは脚本の中のアメリア・ドナヒューをしっかりと捉え、アメリア・サックスとは別人として確実に役作りをしているところがさすがだ。自分にできる限りのことをしただけなのに、思わぬ人から思わぬ評価を受けてかなり困惑しながらも、だんだんに鑑識の仕事に面白さを見出していく過程の、彼女の表情の豊かさ。主役を食う存在感がすごい。
しかし、どうもなんだか、いろんなことがごちゃまぜで。猟奇的な事件を少々、証拠から犯人を追い詰める推理&論理を少々、ハラハラを少々、ロマンスを少々・・・といった具合。思い切ってどれかに決めて絞ってしまえば、もっと単純に楽しめる映画になったような気もする。とはいえ、終わり間近になって急に登場する犯人って!何が何だかわかんないうちに、あれよあれよという間にめでたしめでたし~~で終わっちゃうのかよ、という印象。死ぬ覚悟ができているわりに、あの反撃はものすごい生きることへの執着を感じちゃうんだけどな。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。