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[コメント] ベン・ハー(1959/米)

人間ドラマと映画のスペクタクル性のスケールバランスがGOOD
junojuna

 当時、戦後最大の製作費と最長の上映時間を誇る映画としてそのスペクタクルな世界観を存分にエンターテイメントとして描き切った記念碑的な大作である。有名な馬車レースのシーンは映画史に刻み込まれた大いなる遺産である。この3時間半にわたる大作を見るにつけ思ったことは、スペクタクル映画の製作システム。仮にこの題材を昨今流行の「三部作もの」として切り売りしてはどうだろう。第一部は「海戦シーン」をハイライトとしてアリウスに養子として迎え入れられるまでの英雄譚。第二部は「馬車レース」でメッサラに勝利し、ライの谷へ向かうまでのトゥ・ビー・コンテニュー編。そして最終話の第三部は、ジュダの信仰とのめぐり合いと難病が回復する「奇跡」をめぐるファンタジーを描く完結編。 テーマとなるのは、征服者と被征服者の間にある民族的な隔たりと、様々な感情をもつ生身の人間の懊悩、そして神=神秘のただ中にある世界の宿命論的なドラマを現在の持てる映画技術を結集して創造すること。ハリウッドリメイク版を期待する。

(評価:★4)

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