[コメント] 真夜中の虹(1988/フィンランド)
マックイーンやイーストウッド、ティム・ロビンスたちに申し訳ない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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カウリスマキの長編第5作で「労働者三部作」の2作目と言われる作品。原題は「Ariel(アリエル)」。最後に登場する船の名前。邦題は劇中で流れる「虹の彼方に」からきてるのでしょう。『オズの魔法使い』ですね。カウリスマキは小津好きですから、ただの駄洒落かもしれませんけど。
この映画は、手に汗握るハードボイルドロマンです。ワハハハ。マジでマジで。実際、劇中でハンフリー・ボガートの映画が流れます。何の映画だろう?『ハイ・シェラ』なのかな?分からないけど。いずれにせよ本作は、そういう犯罪アクション映画を目指したんですよ、きっと。ワハハハ。
ネタバレになってしまうんですが、途中で脱獄シーンがありますね。これが凄い。ティム・ロビンスの用意周到さも、スティーブ・マックイーンの華麗さも、クリント・イーストウッドの執念も無い。笑っちゃうほど無い。歴代の脱獄者たちに申し訳ないくらい。なのに、終わってみればハードボイルドロマン。いや、普通想像するそれとは違うのですが、カウリスマキ的ハードボイルドロマンとしか言いようがない。
私は、カウリスマキは「去る者(去ろうとする者)」の話が多いと思っていて、その去りゆく者が乗る船がタイトル(原題)であること、その先を「虹の彼方」に見立てた(と思う)ということに、この映画の真意があるように思います。そういうハードボイルドロマン。ワハハハ。
(2023.08.09 目黒シネマにて再鑑賞)
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