[コメント] アナザヘヴン(2000/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
銃刀法違反、家宅侵入、放火、傷害などなど。色々やりまくる主役刑事二人組み。
まったく、なんなんだこの映画。ビルは飛ぶは中盤はハイテンションでボケかまして後半は真面目ぶったサスペンスに成り下がりやがって。
おまけに殺しのシーンをまったく見せずに「はい、死んでました」とか「はい、シチューに入ってました」とか、ここまでB級な映画で、水だかなんだか知らないが、適当な殺人犯(=脳みそだったら面白いけどそれがなぜか =水なんだから笑うしかない)で、殺しのシーンがほとんどない。軽く首ひねるけどコメディにしか見えないし自分で蹴っておいて足首折れるシーンなんて爆笑モノ。
こういうシーンは三池監督にやらせた方がもっといいシーンになったと思う。
んでまぁそこまで退屈させずに見せてくれたが、犯人の猟奇ぶりもどこからから持ってきたような感じだし、全然えぐくない。ただ血を撒き散らして脳みそ抜きとってるだけ。
確かに想像すると惨酷だけど、脳みそない割に部屋にあんまり血が飛び散ってないからどうもリアリティにかける。
そういえばリアリティといえば鉄塔の近くの空家って言ってた家。まぁ家宅侵入なんだけど、風呂場のシーンでなぜか石鹸がある。なぜ?空家だろ。
ラストの炎はアホすぎだし。なんなのあれ。炎がぶわってなぶわっ。馬鹿じゃねーの?もう少しまともなオチにしろ。あれじゃB級モンスターホラーにもなれないよ。最近のハリウッドZ級ホラーでもあそこまで馬鹿っぽいのはないだろ。
いや、スティーブン・ソマーズが『ハムナプトラ2』でやってたか・・・。けど彼のは遊び心だから許せるが、俺はこの『アナザへブン』って映画はてっきり真面目なサスペンスかと思ってたよ。
B級ホラーコメディとは意表を突かれた。前半は笑いっぱなし。「あはは、馬鹿だね、脚本家」ってな感じ。
でも思い出すとオープニングにしっかり「脚本、監督」って書いてあるから監督自身が書いたわけだ。
よくこんな脚本で配給会社がGOサインだしたな。ロドリゲスとかが監督するならともかく・・・。
ラストも風呂場で感電死したくせに、なぜか生きててラストじゃお涙頂戴に近い「感情移入して頂戴」のラスト。それで街中でうんこ座りしてるティーンにはうけるかもしれないが、映画をちょっとでもかじった人ならわかるはずだ。こじつけのラスト。
ご都合主義のラスト。普通死んでるよ。
おまけに悪意の塊がどうこうラストでしみじみ話をしてたけど、結局水だろ?水に意思があったの?まじでBじゃん
とか、そう不覚考える前にこれって脚本の手抜きじゃないの?だって悪意の塊と言っても、それは最後刑事が言った言葉であって、結局あの「水」の正体は未来から来たって自分で言ってたのが真実ってことか?
だったら、もの凄い手抜きじゃないか。未来から来たってなんなんだ?悪意の塊じゃなくてBの塊だろ
とりあえずラストの二人の会話で世の中へのメッセージみたいなのを表現したのかもしれない。だが、はっきり言ってメッセージ性のかけらも見当たらない。
娯楽としてみてもアホ映画にしか見えない。割り切ってみたとしても後半少しテンションが変わるのでアホ映画と割り切っても楽しめない。サスペンスと思っていても楽しめない。
加藤晴彦の存在もホントにゲスト出演って感じで薄っぺらい。まぁ別に居てもいなくてもどうでもいいキャラだから一応客寄せって意味で居たと解釈すればよいとしよう。
主役二人も脇役軍団も別にどうってわけもない。
つまり、この映画の唯一のミスは脚本てわけだ。もう少しまともな脚本書け。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。