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[コメント] コンフィデンス 信頼(1980/ハンガリー)

信。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







非常に地味な雰囲気に包まれてはいるものの、中盤までは白眉である。終盤は2人の愛情関係に力が入りすぎたのと説明不足で理解に至らない部分が数ヶ所あった為比較的にレベルが落ちている感じがしないでもない。

広義的に行って戦争映画である。それも、重い。実は重い。ダイナミックなバトルシーンを看板にしている戦争モノよりも話は深刻さを帯びている。如何に戦争が(一応ここでは戦時下の街といったほうが妥当かもしれないが)人間の精神に根幹的な悪影響を与えているかが分る為だ。悲しみや怒り、絶望などもまた戦争で引き起こされるものだろう。この作品は以上とは着眼点を異にし「不信」の忌まわしさを中心に描いているところに新鮮さがある。

悲劇的なのは男である。彼に重く根を張ってしまい一生付きまとうであろう「不信」が哀しく恐ろしい。心の声がナレーション的に聞こえる演出にも助けられて聞こえてくる。彼の最も身近な存在であるカトリンに対しても果して心は開けていたのだろうか?一度でも?彼女を抱いている時にすら心中で躊躇逡巡しているような男だったら赤の他人に対しては絶対無理な話だ。

カトリンの場合は未だ「不信」という病には侵されていないようである。恐らく最初のラブシーン(ここのシーンになるまでが結構エロティックだった)以来ずっと心を開いていたのだろう。そんな彼女の「愛してる」や献身も男の「不信」に対してはただただ虚しくこだまするのみだったのだ。

ラストシーンあたりが説明不足で全く理解不能だった。男は自分の行動だけカトリンに秘密にしていて突然去ってしまうのだが、非常にあっけない(二度と再開できないだろうに)。矢張り男は彼女を愛していなかったのだと思った。その後彼女の名前が役人に呼ばれるのだが解釈が出来ない。が、何か良い予感がしなかったのは私だけだろうか?

(評価:★4)

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