[コメント] 羊たちの沈黙(1991/米)
もっとも、このドクロの図案そのものは、ダリの作品から借りているらしい。でも、せいぜいが間延びしたトーテムポールぐらいにしか見えない紋様をドクロに見立てることはともかく、そこにダリの女体ドクロを持ってきたところは本作の担当スタッフらのオリジナル・アイデアではないか。それに、ダリのドクロはバッファロー・ビルの位置にいる人間も女性だが、明らかに他に6人の女性で構成されている。となると、“6人目”の犠牲者・キャサリン(ブルック・スミス)で、ビル“作品”の最後のピースが埋まったのかもしれない。ンな訳ないが。
しかし、少なくともこういうことは言えるのではないか。本作では、多くの観客から単なる気持ち悪いオッサンとして見なされ、スルーされがちなキャラクターであるバッファロー・ビルが、実は重要な役割を担っていることの証拠なのだと。僕自身、ただの気持ち悪いオッサンとしてずっとスルーして見てきたので、たぶん間違いないと思う。
あらためて観ると、テッド・レヴィンという俳優さんの、「単なる気持ち悪いオッサン」造形力は凄い。凄いと言うより、本当に単なる気持ち悪いオッサンにしか見えないので、「凄すぎる」だ。ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス両名の「キャラクター造形力」に勝らずとも劣っていない。否、勝っているかもしれない。
こうしたところにも、本作品の完成度というか、達成度の高さを観るように思う。
90/100(23/7/31再々見?、★1up、コメント変更&レビュー追記)
*真に受けないでね。
**以前のコメント:狂気に対峙するクラリス(ジョディ)のウブさが良くも悪くも魅力だったし、今でもそう思う。が、レクター(ホプキンス)は年を経るほど嫌いになる。
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